エンターテイメントの裏側
動物を利用したエンターテイメントの裏側には、必ずと言っていいほど動物虐待が存在します。
調教師と動物たちの間にあるのは絆でしょうか。それとも恐怖による支配でしょうか。
また捕えられた生き物は、その多くが野生から拉致されてきたものたちです。
自分たちが楽しむため彼らを利用することは、恥ずべきことだと認識すべきです。
動物園
動物たちが本来いるべき環境。
それは湿度の高いアマゾン、サバンナのような乾燥地帯、氷に囲まれた南極でしょうか。
決して檻の中のコンクリートの上ではなく、申し訳程度に生える植物の中でもなく、ペンキで白く塗られた岩山でもありません。
そこにはもちろん敵もいますが、家族がいて、仲間がいることもあるでしょう。
日々多くの人間の目に晒され、うつ状態になって常同行動(ストレスや不安感により繰り返し行われる意味のない行動)をするなんてことはきっとないはずです。
生後6ヶ月で故郷のタイから家族と引き離され、1973年から50年以上もひとりぼっちで小さなコンクリートの上に監禁されている宇都宮動物園の宮子です。
象は本来、群れで生活します。また砂浴びや泥で遊んで体を紫外線や寄生虫から守る習性がありますが、ここではそれが叶いません。
同じ場所をひらすらぐるぐると歩き回る(常同行動)ホッキョクグマ。
ホッキョクグマは本来北極圏で生息する生き物で、野生下での行動圏は30万平方キロメートルの報告があります。動物園の狭い檻の中では彼らの本来の姿を知ることなどできないのです。
水族館
普段見ることのできない水中の生き物を間近で目にできる水族館は、子どもだけでなく大人も魅了します。
しかし動物園と同様、そこにいる生き物たちは本来いるべき環境とはかけ離れた条件下で飼育されています。
種の保存、教育施設などという目的で水族館の必要性を説く人たちもいますが、本当にそうでしょうか?
水族館の名物といえばイルカショー。しかしその裏側は惨憺たるものです。
海で一緒にいた家族を殺され拉致されたイルカのハニーは、マリンパークが廃業後してから2年間、たった1人で不潔なプールに放置され孤独死しました。
イルカは知能が高く、鬱になる生き物です。彼女がどんな思いでいたかは想像に難くありません。
地震大国の日本で、被害に遭うのは人間だけではありません。
東日本大震災では、原発事故により多くの動物たちが放置され、餓死させられてしまいました。
能登半島地震で被災した「のとじま水族館」では、ジンベエザメなど約5,000匹の生き物が死んでしまいました。
人間が楽しむために生き物を拉致してストレスを与え、種の保存どころか大量に死なせてしまう。このようなビジネスにはNOを突きつけなければいけません。
サーカス
ライオンや虎、ゾウや熊。たとえ子どもの頃から飼い慣らされていたとしても、大型の動物が簡単に人間の言うことを聞くようになると思いますか?
人に従順な犬に芸を仕込むことさえ難しいのです。ではどのように調教しているのでしょうか。
大型の動物であれば人間に刃向かうことも簡単だ。それでも芸をするということは、調教師との間に絆があるからだ。
なんておとぎ話を信じている人はいますか?
サーカス団は、わざわざ自分たちが行なっている動物への虐待を公表したりしません。
それでも元サーカスの調教師のウラジーミル・デリャブキンは暴露をしました。
「決して忘れることが出来ないのは、熊の血にまみれた調教師の靴です。動物たちはこんな風に容赦なく扱われているのです。ある有名な調教師が、豹が痙攣するほどなぐったのを見たことがあります。この私も熊を不具にしたことがあります。」